1.事務所経営所感

1.弁護士業務観

@ 依頼者の信頼
 依頼者よりの信頼なくして弁護士はあり得ない。
 依頼者より対価を得て、依頼者に自分の人生を捧げ尽くすのが弁護士である。
 どうすれば、どう考えるならば依頼者が幸せになるか、ひたすら依頼者の為という視点で考え行動したい。依頼者に心優しく親切でありたい。

A 弁護士教
 弁護士は時に社会の中心的場面で指導者たる中坊公平先生のような例をみないではない。しかし多くは、社会の片隅で依頼者の法的需要に応えて細々と且つたくましく生きているのではないか。市民事務所としては依頼者の多様な需要に応ずるため、知識も情操も幅広いものが求められていよう。人間としての幅も深さも求められていようし、思想、信条、宗教もその一つであろうが、信条の第一は弁護士であることはいわば弁護士教の信徒であり教祖たる弁護士、即ち弁護士業務において、他の如何なる価値よりも弁護士業務を最高の価値とする事務所でありたい。
 従って事務所は一切の政治的、宗教的、その他一党一派の為にすると誤解を受ける活動をしないし、各員にも事務所における自粛を求めたい。

B 経営的視点の必要
 事務所の運営は経済的効率第一に考えるべきであるが、構成員の人生活動そのものでもあるので、効率にこだわり過ぎ人生の目的そのものを見失ってはいけないと思う。
この立場で、ボスも、勤務弁護士も、事務職員も、事務所が生活資源獲得の場であると共に、自己実現の場であるよう心掛けたい。
 かく云うは、事務職員を時間外に拘束しようというのではない。事務職員については、勤務条件をより明確にしてゆきたい。
 一人の弁護士がより多くの人々に対してより多くのより質の高いリーガルサービス(弁護士の職務をこう呼ぶ)の提供が出来、その職責を全うする為には、収入の安定、向上、生活の安定、その為には、安じて職務と研鑚に従事することのできる職場の安定が必要と考える。此様な観点から硬直化を用心しながら、業務、事務をできるだけシステム化、効率化、更に機械化、省力化して余力を真の意味におけるリーガルサービスに振向けたい。此様に弁護士が代替わりしても職場が維持できるシステム化も、当事務所の目標とするところである。
 事務所が継続することによって、やがて独立する勤務弁護士も「あそこで修業した弁護士なら、よく出来るし、心遣いもあろう」と評価されるような「伝統」が出来ることになれば嬉しい。

C 公私混淆路線
 事務所は、公私混淆、楽しく仕事をし、豊かな個人生活を営む路線を採りたい。
公を生産活動、私を消費生活と位置付け、限定された時間を苦痛である生産活動に充て、その余を楽しみの為の私的時間として截然と区別すべきもの、というのが一般的な考えの様である。
 しかし、生産の中にも喜びがあり、私的活動にも止むなく行わなければならないこともある。又とくに我々にとって各種研鑽は公でもあり私でもある。それは「時間」や「暦」で限定され区別されるものではなく、事務所の構成員がより協力しあって皆が公私共々に、より充実した時間を過ごすべきであって、時間は「一応のきまり」配分であって、相互の信頼に基づき、より柔軟な対応がなされるべきものと信ずる。
 従って時間外に勤務することもあれば、勿論仕事の手配はするとして、勤務時間中の子供の運動会や父母参観、場合によってはデートでさえも、大切なことと考える。

D 暴力団からの事件は民事、刑事、相談を問わず受けない
 これらの事案も誰かが受けなければならない。しかし、当事務所は弁護士誰でもそうであるが、法の枠内の解決を目指しているので法に関係ない独自の行動基準を持った暴力団ないしその関係者との信頼関係の維持には多くの精力を要すると同時にこれらの者との共同関係が他の依頼者、顧問先及び事務職員に与える影響等の事情を考慮して受任を断っている。


2.当事務所の目標

@ 職責を自覚すること
 弁護士は弁護士法に定められた社会的職務即ち基本的人権の擁護と社会正義の実現を全うすることによって社会的存在意義がある。
 事務所は弁護士の集団であって各々この原点に添った活動を心掛け、いさヽかもこれを逸脱することがあってはならない。そこで、この実現を声高に叫ほうというのでなく、実質的により有効に実現する為には弁護士各自が弁護士倫理で宣明している自己研鑽が必要なことは勿論であるが、経営体としての事務所もまたその努力が求められる。

A 規模と内容
 (一) 当事務所は、中規模高級専門的性格を有する市民事務所を目指す。中規模とは、一人二人では無理でもチームを組めばできるボリュームの事件がこなせ、お互いの人的信頼関係が維持出来る程度の人数の事務所をいう。弁護士、司法書士、税理士及ぴ専門事務職員を以て構成する弁護士十人以下の中小企業的事務所としたい。お互いが何をどうしているか見える限度を超えるとチームの仕事にミスが生じる恐れがあるからである。

 (二) 高級とは、一騎当千の知性を持った練度の高い弁護士及び事務職員を以て構成されることと考えている。

 (三) 専門店的性格とは、不動産法を中心としてこれにまつわる又は派生する事案解決能力の高いことを意味する。

 (四) 市民事務所とは一般法律事務を取り扱うのであって、市民万般のもめごと一切を引き受けることと考えている。現在当事務所は暴力団関係については、民事・刑事の依頼・相談をも一切をお断りしているが、それ以外は「無節操を節操」として、極力引き受けるよう心掛け、
 「揉事萬承所」もめごと/よろず/うけたまわり/どころ
 と称している。事務職員にも不動産関係法に関する研鑽をつみ、将来本人の著名による著書論文で大方の支持の得られるよう、勉強を求めたい。
 事務所が、不動産関連法制については当局からさえ人材の提供や意見を求められる権威の確立を目指したい。これを要するに事務所を該博な知識と深い思考に裏づけられた高い判断力とその実行力をもつ有機的行動集団=知的戦闘集団を目指したい。


3.将来の事務所の形態

 とりあえず内野が、現役で個人事務所としてやってゆきたい。その間に先ず事務所としての「業務システム」を確立しておきたい。
 パートナー制をとるにしても経費分担制が限度と考えている。
そして更に、後進に譲るためのより合理的「経営形態」を研究したい。


4.事務所生活

@  事務所内禁煙
喫煙者は原則採用しない。採用した場合には事務所内は常時禁煙のこと。恐縮ではあるが、外部の方にも伏してお願いしている。

A 事務局会議
 事務局会議を原則として毎週金曜日の9:00〜10:00に行い、ボスを中心として、その週1週間の業務の経過報告と、次週の準備について互いに再確認をする。
 「事務局」という名を冠してはいるが、事務職員だけではなく弁護士、司法書上、税理士も出来るだけ出席し互いの業務内容を把握して欲しい。

B  昼食会
 毎月第1金曜日の11:30〜13:30に、仕事上の意思疎通を図るため弁護士昼食会を行いたいと考えている。

C 昼休み
 昼休みは12:00から13:00が原則。必要に応じて適宜自由に取ること。
 唯、外出せず事務所で休むときは、指定店の出前なら、上限はあるが昼食代は事務所で負担する。

D 休み中であっても新聞、雑誌その他法律書以外の読書を控えられたい。

E お茶の時間
 生理的渇きを癒すお茶・水は別として、コーヒーおやつ等の嗜好品は、食後のデザート・3時のお茶、5時半以降の就業時間外、にのみ取ること。来客中は、一切の飲食をしないこと。但し、来客と応接している時、客人に心遣いが必要と思われるときは、飲食することもあって良い。

F 事務所の懇親等
 (i) ファミリーパーティ(従前は日頃から世話になっている顧問先の方々を招待して行っていたが、最近では鴻志会会員で司法試験合格者の披露祝賀会を兼ねて年1回開催)
 (ii) 忘年会、又は新年会
 (iii) 新人歓迎会、退職者送別会を必要に応じて事務所懇親を兼ねて行っている。
     又、事務所旅行(海外でありたいが、止むなく国内)を行いたいとは考えている。
     しかし、現在中止の止むなきにある。

G 健康診断
 健康診断は少なくとも年一回、東京弁護士会施行のものを受診のこと。
 (費用は事務所負担)

H 服装規定
 男子はネクタイ着用のこと。女子はスーツが望ましいが、少なくとも対人業務に相応しいものを着用のこと。
 依頼者よりカジュアルな服装では礼を失する。