恩賜の煙草

恩賜の煙草をいただいて
明日は死ぬぞときめた夜は
ジッと睨んだ敵空に
星がまたたく二つ三つ

 子供の頃に覚えた歌だからうろ覚えだが、こんな歌で国民を戦争に駆り立てた時代がありました(※1)。
 お隣中国の尖閣問題、韓国の竹島問題、ロシアの北方領土問題など、領土問題だけでも民族意識を逆撫でして一時代前ならば既に発火点に達していようというもの、まして中国や韓国の反日教育や中国の我が国の国連常任理事国入り妨害の為と思われても止むを得ない反日デモ、日系店舗や大使館襲撃の暴動や度重なる靖国参拝攻撃など理不尽な攻撃に接すると、いつ、どんなことで再び戦火を交えることにならないかと怖れる。
 戦争反対、平和大賛成である。
 然る一方現実の国際社会は力ずくである。
 真の意味で平和をもたらす方策は
やっぱり昔ながらに貧困な歌詞で国民を戦に立向かう勇気を養わせるか
奴隷の平和に甘んずるか
「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」
(※2) 考えあぐねて知恵の出ないものにはこの二者選択しかないのだろうか。
 本日の朝刊(朝日新聞37面トップ記事)で恩賜の煙草が廃止され、お菓子を賜ることになった記事をみての感慨である。


                   弁護士 内野経一郎
                   平成17年6月9日

※1 朝日新聞に掲載されているのはこの歌の一部分のみである。
※2「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」・・・第二次伊藤博文内閣(1892年8月8日〜1896年8月31日)で外務大臣を務めた陸奥宗光が、日清戦争(1894年〜1895年)の外交回想録「蹇蹇録」の中で、日清戦争後の三国干渉(1895年)に屈したことについて述べた言葉。
小泉純一郎総理大臣が第155回国会所信表明演説(2002年10月18日)において引用している。